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難読字も簡単?
部首別の読みで検索
医師の高田さん新漢字辞典を出版
東京新聞 (00.10.29)

「栂」は「きぼは」と引くと出てきます---。読み方が分からない漢字をより早く検索できるよう、蕨市中央の医師高田任康さん(51)はこのほど、独自の方法で引ける漢字辞典を出版した。部首別の読みの頭文字をとって検索する方法で、高田さんは「漢字辞典に革命を起こしたい」と意気込んでいる。

高田さんは大宮市内で診療所を開く皮膚科の医師。十数年前、ワープロで患者の住所録を作成中、「弼」という時の読み方が分からず、なかなか画面に出すことができなかった。この時「電話で説明するときは、ゆみ、ひゃく、ゆみ、と言えば通じるのになあ‥‥‥」という考えが頭をよぎり、頭文字をとって「ゆひゆ」で引けたらという思いつきを基に、漢字を片っ端から整理する作業にとりかかった。原則として部首の読み、つくりの音読み、訓読みの順で頭文字をとる。「栂」ならきへんの「き」、「母」の音読み「ぼ」、訓読み「はは」の「は」をとって「きぼは」とするが、「きは」「きぼ」でも引ける。1つの漢字に60通り以上の索引を設けたものもあり、整理のため診療報酬の明細書の裏側に書き付けたメモは数万枚という。

 これまでワープロやパソコンで漢字を検索するための記号本を2冊出版したが「正直言って、あまり売れなかった‥‥‥」。今回出版するのは記号表ではなく漢字辞典そのもので、時が分からない漢字が引けないことや、独特の検索方法に慣れるまでのわずらわしさなどの欠点もあるが、ワープロやパソコンの定着によって、ニーズも増している。

 学者からは「邪道」とけなされることも度々だが、高田さんは「三百年前に中国で作られた康煕(こうき)字典で標準化された漢字索引に固執することもない。言葉の意味を変えるわけではなく、新しい引き方を提案している」と胸を張る。問い合わせはサンルイ皮膚科へ。


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